Contents
相続が発生すると最初に気になるのが、亡くなられた方のご自宅の価値ではないでしょうか。
お父さまが亡くなられた後、ふと「実家の財産価値っていくらなんだろう」と思って調べ始めるお子さんも多いかと思います。
単なる興味本位であったり、ご自身が相続によりどのくらいの財産を引き継ぐことができるか知りたい。など、具体的なイメージを持たれている方もいらっしゃると思います。
書籍またはインターネットで「相続税の計算では路線価を使って土地を評価する」という文言を見て、「路線価って何?」「福岡だと路線価はどうなの?」と思って検索されているのではないでしょうか。
評価が上がることは財産の価値が上がり良いことですが、相続財産としての評価が高くなると相続税が高くなることが悩みにもなります。
本記事では、路線価とは何か、相続税と路線価の関係等をわかりやすくご紹介していきます。
【初心者向け】相続税の路線価とは?
相続税の計算をするときに路線価を使って計算をすると言っても、わざわざ計算しなくても日ごろからある、なにがしかの資料を見れば価格が記載されているのでは。と思いますよね。
しかし、相続で利用する土地の正しい評価額は日ごろからどこかに記されているものではなく、ご近所でたまたま土地を販売している価格を見ても参考にはなりません。
ただ、土地の正しい評価が必要になる機会は相続税の計算のタイミングくらいであり、他は大まかな価格があれば事足りるため、わざわざ日ごろから計算をしておく必要もありません。
大まかな土地の評価額を知りたい場合には固定資産税評価額を用いれば分かりますので、路線価の意味と実際に使うタイミング、固定資産税評価額との違いをご説明していきます。
路線価の基本的な意味
路線価を簡単にいうと、土地を売買したりする際の価値を示す値というより、相続税を計算するときに使う特別な土地の価格を決めるための値だと考えた方がわかりやすいかもしれませんね。
路線価は毎年7月に「財産評価基準書」にて発表しますが、最新の路線価を誰もが自由に見ることができます。
また、路線価は実際の土地の売買価格よりも少し安く設定されており、一般的には本当の土地の価格の約80%ほどの価格だと言われています。
路線価が必要となる3つのケース
路線価が必要になるのは相続税の計算の時だけというご説明をしましたが、実際には相続税が発生しなくとも相続や贈与の際にも土地を評価しますので路線価が必要となります。
また、路線価は、先の説明のとおり毎年7月に発表があり、毎年変動する可能性があります。
特に福岡県は近年は路線価が上がっているため、必要なときに必ず確認が必要ですね。
確認をする際は7月発表ですので、1月~6月に相続が発生した場合には7月の今年の路線価が発表されてから確認し、7月以降の場合にはすでに発表されている今年の路線価を確認しましょう。
固定資産税評価額との違い
不動産を所有していると固定資産税の納税額をお知らせする固定資産税の納税通知書が毎年届きます。
こちらの納税通知書には、固定資産税を計算するための土地や建物の固定資産税評価額という金額が掲載されています。
土地の評価を路線価を用いて計算する方法も大切ですが、大まかであればこちらの固定資産税評価額の方が評価結果の金額が記載されているので、すぐに評価を確認することができます。
相続に関する無料相談に申し込みをすると、まずは固定資産税の納税通知書を持ってくるように言われます。
固定資産税評価額と相続税で利用する路線価は似ているようで別のものですので、違いについて理解しておきましょう。
相続税の路線価を用いた計算結果の方が少し高めに設定されているのが一般的ですね。
以上から、同じ土地でも、固定資産税評価額と相続税の路線価を用いた計算では金額が違うこともわかりました。
この違いを知っておくと、相続の際に混乱せずに済みますし、税金の計算も間違いにくくなります。
【2024年】福岡の路線価上昇率が全国トップ
2024年の福岡県の調査地点の平均は5.8%上昇して、全国トップの伸び率でした。
福岡県には調査対象となる場所が1万地点あるのですが、その1万地点の平均が2023年よりも5.8%上昇しており、これが全国トップだったということです。
福岡市の中心部の再開発と人口増が背景にありますが、今後も上昇する可能性がありますので土地の価値が上がっていくうれしさもありますが、相続の際には苦労する可能性もあります。
このあたりは生前から相続財産に目を向けて、相続税の対策をしておくことが得策です。
【調べ方】国税庁サイトでの簡単な路線価の調べ方
路線価は国税庁のホームページで誰でも調べることができますので、ご自身が調べても専門家が調べても同じ画面を見て判断することになります。
国税庁のホームページからのアクセス方法と路線価図の簡易的な確認方法についてみていきましょう。
➀国税庁ホームページへのアクセス方法
国税庁の路線価図を確認するには、まず国税庁のホームページにアクセスする必要があります。
インターネットブラウザで「国税庁 路線価」と検索して、直接国税庁の「路線価図・評価倍率表」のウェブページにアクセスするか、トップページから「路線価図・評価倍率表」のリンクを探してクリックして遷移していく方法があります。
➁自分の土地の路線価を探す手順
路線価図・評価倍率表のページに移動したら、次の手順で該当する土地の路線価を探すことができます。
上記の手順を踏むことで、今回の相続で明確にしたい路線価を簡単に確認することができます。
➂路線価図の基本的な見方
路線価図を見てみると道路に数字と記号が書かれています。
たとえば、「350D」の場合、「350」の数字が路線価であり、「D」は記号になります。
「350D」の場合
- 「350」は1平方メートルあたり「350,000円」
- 「D」は借地権の場合には60%の評価でよいという記号
以上から、不動産が亡くなった方が住んでいたご自宅であれば「350」といった数値と面積で評価額を計算することができます。
一方で、借家やアパート等の借地になっている場合には、「D」であればその計算結果の60%の評価額で良いということになります。
【計算例】路線価から土地の相続税評価額を簡易計算
路線価を調べてみた結果「350D」であった場合の簡易計算をしていきましょう。
面積は亡くなられた方のご自宅に届いている固定資産税の納税通知書または、法務局で取得できる登記簿謄本を確認することで把握できます。
こちらの簡易計算を実施した結果、相続財産の総額が相続税の基礎控除である「3000万円+600万円✕相続人の数」の金額を超えた場合には、おおよそ相続税の申告の対象になります。
このような場合には、早めに税理士の無料相談に行き相談をしましょう。
【考慮する土地】土地の形状等による評価額の違い
路線価を使って土地の評価をすると言っても、同じ条件やカタチのものが無く、同じ面積であっても道路へ面している長さも異なります。
また、郊外の土地や市街化されていない地域の土地は路線価が設定されていません。
このような考慮が必要な土地のケースとして4つの例をご紹介します。
➀角地の評価方法
角地は2つの道路に面していることから、土地に対して2つの路線価があることになります。
角地は評価が高そうなイメージがありますが、実際にも評価はプラスになります。
主には路線価が高い方を用いて計算し、もう一方の影響を加算して評価額を決めていきます。
➁正方形ではない土地の評価方法
土地にはいろいろなカタチや条件がありますので、こちらのような何かと理由があるかと思いますので、その場合には補正をおこない評価を下げることができます。
➂マンションの敷地持分の評価方法
マンションを所有している場合には、敷地持分を計算した結果が土地の評価となります。
一般の土地評価とは異なる方法でおこなうため、次の手順を参考にしていただければと思います。
➃路線価がない土地の対処法
路線価が設定されていない土地の評価には、固定資産税評価額を使って計算する倍率方式を利用します。
こちらの倍率方式は路線価と同様に該当する土地を調べていき「倍率地域」と記載があれば、画面の左側にある「この市区町村の評価倍率表を見る」というボタンをクリックすると確認できます。
路線価が無い地域というと地方を想像しますが、東京都内にも倍率地域はあります。
【専門家選び】路線価を含む相続に困ったら税理士法人ヤマトへ
相続税の相談となると、相続税の基礎控除額である「3000万円+600万円×相続人の数」よりも多い相続財産があった場合となりますが、なかなか相続財産の全体や、相続人を確定するだけでも手間がかかります。
そんなときは、相続税の申告が必要かどうかの判断をしてもらうだけでも良いので、税理士への無料相談を申込することをおすすめします。
税理士法人ヤマトは、土日・祝日および平日の夜など相続人の皆さんが相談しやすい時間に無料相談を受け付けています。
また、今回のテーマである路線価を使った土地の評価等、まさに不動産の評価は税理士によっても差が開きやすい内容ですので、土地や不動産に強い税理士がおすすめです。
税理士法人ヤマトは、宅建を持った税理士が在籍しており、土地や不動産の評価に強いため、無料相談でぜひお話ができればと思います。