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税理士法人ヤマト

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2023年3月11日NEWS

相続税が気になる人は知っておきたい実施率の大幅に高い相続税の税務調査対策 №②

相続税の税務調査実施率の高さ

 過去3年間の国税庁が公表している相続税,法人税,所得税の税務調査実施率を比べると、相続税の調査実施率は11.2%,法人税は3.1%,所得税は0.31%となっており、相続税の調査実施率は大幅に高いです。

何故、調査率が高いのか

 遺産状況に最も詳しい被相続人が存在せず、相続人が遺産状況を調べるので相続財産に漏れが生じ易いことや専門家に相談することなく実施した安易な贈与や名義預金などが税務署に把握され易いことが考えられます。

相続税の税務調査対策

 被相続人の資産状況をどの程度税務署が把握しているのか、相続税の申告書が提出された場合に税務署が実施することなどをふまえ、相続税の税務調査対策をご紹介します。

【相続税の税務調査対策】

 相続税申告を受託した場合に当社が相続人にお勧めするのは、前述した被相続人の預貯金口座の取引履歴確認と税理士法に規定する書面添付制度の実施です。

1)被相続人の預貯金取引履歴の確認
① 50万円以上の入出金状況を確認

 被相続人名義の預貯金口座の相続開始前7年分の取引履歴を基に、50万円以上の入出金記録を年月日毎に一覧表にまとめます。

② 相続人へのヒアリング

 引き出したお金を同日に他の預貯金口座に入金した場合などの使途が明確な取引を除き、資金の使途を相続人にヒアリングします。

③ 配偶者や子供たちの預貯金取引履歴の確認

 被相続人とその親族間で資金移動を活発に行っている場合には、配偶者などの親族名義の預貯金口座の取引履歴を受領し、被相続人との資金移動を年月日毎に一覧表にまとめることもあります。

④ 贈与税の期限後申告

 被相続人名義の預貯金口座の出金使途をヒアリングすると、被相続人から贈与を受けた親族名義の預貯金口座への入金だとわかることもあります。贈与税の期限後申告を行った場合の長短所を相続人に伝えた結果、申告することは珍しくありません。

2)税理士法に規定する添付書面の提出
①添付書面制度とは?

 税理士法第33条の2に規定する書面添付制度は、相続税申告に際し相続人に確認した事項や財産評価の計算事項などの相続税申告書の作成プロセスを記した書面を相続税申告書に添付した場合には、相続税の実地調査前に添付書面を作成した税理士に対し意見を聴取する制度です。税理士に対する意見聴取の結果、疑義が生じた事項についてのみ、実地調査が実施されるため、税務調査が実施されない場合もあります。

② 添付書面制度を活用する効果

 相続税の税務調査が簡略される場合や、添付書面作成税理士に対する意見聴取により税務署の疑義が解消された場合には相続人に対する税務調査が実施されないこともあり、相続人の心理的及び経済的(税理士への税務調査立会報酬)負担が軽減されます。

 また、相続税申告書の作成プロセスを書面で残せますので、後々、相続人にとって分かり易い資料ともなります。

 添付書面の提出率は20%程度であり、提出を目的とする情報量の少ないものが多いとの情報もあります。税理士の中には、税務署に情報を渡すのはデメリットだと公言している人もいます。正しく使えば効果がある制度ですので、相続税申告を委託する候補の税理士に確認してもよろしいでしょう。

 税務署が実施することをふまえ、相続開始後でも実行可能な相続税の税務調査対策をご紹介しました。相続税の税務調査実施率は高いので、相続税申告に際しては、税務調査対策をヒアリングしながら委託する税理士を選定することをお勧めします。

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