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税理士法人ヤマト

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2022年10月17日NEWS

はじめての相続で5つの最初にすべきことと相続税申告の3つのポイント

相続手続きは大変です。慣れている人はあまりいません。市区町村役場などへの各種届出,遺言書の有無の確認,故人の戸除籍謄本収集,故人の遺産や借金の確認,税理士や司法書士などの専門家探し,遺産分割協議,葬儀の段取りから相続税の申告期限まであっという間に時間が経過します。

 ネットで調べたり、本や雑誌を読んだり、相続に詳しそうな人に聞いたりしながら相続人の中で窓口となって動かざるを得なくなった方は特に大変です。「早い段階からご相談いただけたらもっとお手伝いやアドバイスができたのに」と思うことはよくあります。

 相続手続きを自分で抱え込まずに、出来るだけ早い段階で、比較しながら「納得できる報酬で何でも相談できる専門家」と出逢えると、それ以降の展開はぐっと楽になるし、安心できると思います。

最初にすべきこと

相談したい専門家のイメージを持つ

 相続人間での争いになることが明らかでしたら弁護士探しになるでしょう。相続手続きに必要な戸除籍謄本収集や銀行口座の名義変更など自らできることも有料で誰かに任せたい方はフットワークのよい司法書士探しがよいでしょう。遺産が高額で相続税の負担を出来るだけ少なくしたい方は実績豊富な税理士探しとなるかもしれません。

 相続人間の人間関係や過去のいきさつなどプライベートな相談を何でもできそうな女性の税理士が好ましい女性の相続人もいることでしょう。税理士,弁護士,司法書士,保険プランナー,不動産関係者など相談すれば何でも解決できるネットワークのある専門家を欲する方もいることでしょう。

 自分はどんな専門家に相談したいのか?をイメージすることが大事です。

相続に関することを何でも相談できる専門家探し

 相談したい専門家のイメージが明らかになったら、どのようにして出逢えるかを考えましょう。「継続的な仕事の付き合いがある人」からの紹介がお勧めです。私は、税理士又はコンサルタント契約をしているお客様から弁護士,司法書士,社会保険労務士,保険プランナー,不動産会社などの紹介依頼を受けると、ご依頼いただいたお客様にはどのタイプの専門家が相応しいのかをとても慎重に考え、紹介した専門家に任せても大丈夫だと思えるまで打合せに同席します。長い時間をかけて築いた信頼関係を失うのは一瞬です。私が紹介した専門家に対する不平不満は、「こんな人を紹介した」との私に対する不平不満になります。

 「継続的な仕事の付き合いがある人」の他に、友人,親戚,知人からの紹介やネットで検索してよい印象を持った専門家もよいでしょう。2~3人の専門家と面談して、経験,スキル,知識,報酬,人柄などを基に、早めに仕事を任せる専門家を決めましょう。大きな組織でありがちな注意点は、初期段階の対応を行うトップや営業担当と、実務を行う担当者は違う場合が多いことです。出来れば、接触回数の多い担当者候補との面談も行うとよいでしょう。

結構大変な法的身分関係を証する書類の収集

 相続人の特定,書類1枚で相続人であることを証明する法定相続情報一覧図の作成,遺産の特定,金融機関での名義変更,不動産登記に、被相続人(場合によっては被相続人の両親や兄弟姉妹)の戸除籍謄本などが必要になります。

故人の除籍謄本や戸籍謄本は最後の本籍地から誕生する時までを遡っていきますし、役所の戸籍データを改める改正原戸籍も必要となるので、結構、大変です。遠方の市区町村役場とのやり取りが億劫な方は、職務上請求書(※1)を使って収集できる司法書士や税理士などに有償で依頼することができます。

 ※1 司法書士の場合は不動産の相続登記、税理士の場合には相続税申告の職務遂行上必要となる場合には、戸除籍謄本の収集を認められています。

遺言書の有無の確認

 被相続人が生前に公正証書遺言書を遺し相続人がその謄本を持っている時など遺言書があることを知っている場合や明らかに遺言書がない場合はさておき、遺言書があるかもしれない場合は少し厄介です。公証人役場や法務局で公正証書遺言書や自筆証書遺言書保管の有無を確認し、自宅の金庫や机の中及び銀行の貸金庫の中に遺言書がないかを確認しましょう。

遺産と債務の確認

 法定相続人であることがわかる戸籍謄本や法定相続情報一覧図を提示して、口座がありそうな金融機関の口座情報を照会し、預貯金口座から保険料が引き落とされていた保険会社や自宅にあった保険会社のお知らせなどから保険契約情報を収集し、固定資産税納付通知書発行の市区町村役場に不動産所有情報(名寄帳)を収集しましょう。

 会社経営者などで相当の借入金が見込まれる場合には、相続放棄の熟慮期間を3ヶ月伸長する手続きを行い、借金総額を見極めることが必要です。

相続税申告の3つのポイント

 次回のブログで、改めて、相続開始後でも可能な二次相続までを含めた節税対策や税務調査対策について記します。今回は、相続税申告の3つのポイントの要点のみをお伝えします。

一つ目の注意点 預貯金の取引履歴の確認

 相続税の申告書提出後に税務署が相続開始前5年分は最低でも被相続人や親族口座の入出金状況を確認することを相続人に伝えて被相続人名義の預貯金口座の取引履歴を相続開始前7年分入手し入出金状況を確認することをお勧めしています。50万円以上の入出金については使途などを相続人に確認しますし、証券会社や保険会社などからの引き落としから遺産の確認先情報が収集できます。

 相続人の贈与税の期限後申告を行うことは珍しくありません。

二つ目の注意点 二次相続を考慮した遺産分割

 例えば、90歳の父が亡くなり相続人は85歳の母と娘二人の場合、父の相続(一次相続)の時は配偶者の税額軽減(※2)は活用できますし基礎控除(※3)は4,800万円ですが、母の相続(二次相続)の時は配偶者の税額軽減は使えず基礎控除は4,200万円に減少するため、一次相続の税額 < 二次相続の税額となりがちです。

 上記で言えば85歳のお母様の資産状況や人生設計及び一次相続の税額と二次相続の税額の合計額が少なくなるように遺産分割パターンのシミュレーションも考慮して、遺産分割の内容を決めていくというものです。

 ※2 課税価格1億6千万円か法定相続分までに応じる配偶者の税額は減免されます

 ※3 3千万円+法定相続人一人当たり600万円の合計額が課税価格から減額できます

三つ目の注意点 税理士法に規定する添付書面の活用

 相続税は、法人税や所得税の数倍の税務調査実施率があります。遺産状況に精通している被相続人は不在であり、税金に慣れていない被相続人や相続人が「この程度は大丈夫」と考えて資金移動していることがあるかもしれません。

 相続税の申告に際して使用した資料や留意した事項などを記した税務署に対する説明書のようなものが税理士法に規定する添付書面です。税務署はこの添付書面に対して疑義がある時に作成税理士に意見聴取を行い、それで解決できないことを相続人などに確認するという手順になっています。

 相続税申告の経緯などは忘れてしまいがちですので、しっかりとした記録に残すという意味でも、私はこの添付書面をお勧めしています。ただし、元国税の調査官だった税理士は添付書面の活用に否定的です。書面の記載内容を逆手に取って税務調査をされる可能性を危惧しています。

 きちんとした添付書面を作成することは意義があると私は考えています。

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